ここから本文です

ようこそ院長室へ

院長あいさつ

青森県立つくしが丘病院

院長 桐生一宏

 

 令和5年4月1日に青森県立つくしが丘病院院長を拝命しました桐生一宏と申します。私の出身は新潟県ですが、高校卒業後弘前大学に入学しその後医師となってからは青森県内の病院でずっと働き30年近くになりました。

 私が精神科医として働きだしたころと比べて精神科医療は大きく変化してきました。入院医療主体から地域での生活主体となり病院もダウンサイジングが進んでいます。当院もかつては350床だったのですが、現在は230床になっています。精神科を受診する患者さんも大きく変わり、統合失調症の患者さんは減り、高齢化による認知症の患者さんや、社会構造の変化か発達の問題を抱える患者さんが増加しています。社会の精神科に対するイメージも変わりつつあり、昨今精神保健の概念が広がり狭義の精神疾患ばかりを対象とするのではなく、一般の方々のメンタルヘルスにも役割を求められつつあります。そればかりでなくとりわけここ数年はコロナ禍をはじめとする、従来では想像もできなかった大きな社会の変化の波も訪れています。われわれ精神科医療従事者もこの流れを読みながら適切に行動していかなくてはなりません。

 さて、青森県は医療従事者がとりわけ少なく、不足しているという現実があります。当院もその例外では決してなく、そのような限られた人員、設備でのなかで人々に良質な精神科医療を提供しなくてはなりません。そのため当院では多職種がそれぞれの立場を尊重しながら連携するチーム医療の充実に力を入れています。今後このような医療の充実のためには、患者さんやご家族の皆様からの信頼を得ることはもちろんのこと、人材の育成にも力を入れており積極的に学びの機会を提供しています。そして患者さん、ご家族に満足していただくためには、職員にとって働きやすく充実した職場でなくてはなりません。各々が相互の信頼関係のもとでのびのびと意見を出し合い、個々の力を十分に発揮できる環境を作ることが大切であると考えています。

 また、地域の急性期精神科医療をはじめとする地域精神科医療を支える病院としての役割を果たすためには、より相互理解に基づいた病院連携・病診連帯を構築する必要性があります。他の病院や診療所の諸先生方、スタッフの方々との連帯を深め、当院の役割を果たし、青森の精神科医療に貢献したいと思っています。

 患者さん・ご家族をはじめ皆様のご助力をいただきながら全力で職務を全うしていきます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

令和5年6月 

このページを印刷する
本文はここまでです